体外受精に踏み切るまでに考えたこと
4月から半年間の育休を終えて仕事に復帰しました。
記事を書くペースが格段に遅くなっていますが、どうかのんびりとやらせてください。
不妊の検査を一通りおこない、体外受精を勧められたわたしたち。
「自然妊娠・タイミング法と人工授精」までと、「体外受精・顕微授精」の間にはおおきな一線がある気がしています。
(私の中では、自然妊娠・タイミング法・人工授精はin vivoだけど、体外受精・顕微授精はex vivoだから。というのが一番しっくりくる理由なのですが。「何を言ってるんだ?」と思われた方は、読み飛ばしてください。)
なので、「はい、そうですか」と簡単に体外受精への決断をすることはできませんでした。
何についてモヤモヤしていたのか、今思い出してみると、大きくは2つだったのかなと思います。こと、
1.子供に生じる可能性のある影響について
(昔だったら生まれる可能性の低かった子を産むということ。自然界の法則に逆らっているのでは?だとしたら、その影響は?影響があるのであれば、自分たちのエゴに子供を付き合わせてはいけないのではないか。)
2.自分たちへの肉体的・精神的・金銭的な負荷について
そこで、客観的な事実を知りたいと思ったので、専門家が書いてる本を図書館で借りてきて読んでみました。
・不妊治療のやめどき2016松本亜樹子
・体外受精レッスン2006放生勲
・ブルーバックス不妊治療を考えたら読む本2016浅田義正 河合蘭
・産科と婦人科 2017.3 vol84,No3 Non-ARTの不妊症診療
・臨床婦人科産科 2015.8 vol69, No8 体外受精治療の行方
・産科と婦人科 2017.7 vol83, No7
あと、学園病院でおこなっているカウンセリングも受けました。
以降は、個人的な倫理観なども絡んできますが、あくまで私はこう考えたのだな、というように読んで頂ければと思います(私の考えを他の人に押し付ける気は全くありません)。また、本にある記載を少し曲げて書いてしまっているところがあるかもしれませんので、内容を深く知りたい方は、本を読んでください。
1.については、実際に体外受精・顕微授精で生まれた子供の追跡調査の途上であり、入手可能な研究結果は限られている。ただし、メカニズム的に論じた際に、体外受精と自然妊娠を比べて、前者の方が人為的なセレクションがかかってしまうということは考えにくいそう。また、発生段階でうまく発生のすすまなかった胚は化学流産というシステムで自然淘汰がされることを考えると、「影響がありません」と結論付けることは決してできないが、私は、これらの情報を自分なりに咀嚼して、前に進むのを決断するに至りました。
昔だったら生まれる可能性の低かった子を、最新の技術を用いて、授かることができてしまう、という事も、「最新のペースメーカーを埋め込んで長寿を全うする」とか「最新の抗がん剤治療によって一命をとりとめる」、ということと同じように考えることもでき、現代に生きる私たちが享受してもよい権利だと考えるようになりました。また、芸能人が体外受精で子供を授かり、世論としても祝福しているのを見ることで、倫理観的にも受け入れられることなのだな、と思えたことも大きかったです。
ただ、私の両親や周囲の人、自分の子供には、「体外受精である」という事は(よほどの必要がなければ)伏せておくつもりでいます。現時点で得られる情報下での自分の考えは上記の通りで納得している訳なのですが、今後どんな新情報や新たな倫理感が出てくるかわからないため、明かす/明かさないという選択肢は残しておきたいのです。
2.については、細かくは記載しませんが、それなりの負荷です。
そこで二人で、「6回やってダメだったら、立ち止まって考えなおそう(諦める/続ける/他の道を考える)」と決めました。6回というのは本に書いてあった目安です。結果的には、運よく1回目で授かることができましたが、これを事前に決めておいたのは精神面で大事なことだったんじゃないかと思っています。